鳩山首相の外交方針を批判 京都産業大学で講演
- 最終変更日時 2009年11月9日
安倍晋三元総理は11月6日、京都市北区の京都産業大学で安全保障問題について講演した。
この講演会には「北朝鮮による拉致被害者家族連絡会」代表の飯塚繁雄氏も参加、約1000人の学生が熱心に耳を傾けた。
安倍元総理は講演の中で鳩山首相が外交の基本方針として「対等な日米関係構築」を掲げていることに関し、「鳩山首相は日米安保条約を理解していないのでないか。日本に米国防衛の義務はない。集団的自衛権も行使できない状況で日米対等と言っている。日米同盟について基本的な認識がない」と鳩山内閣の外交方針を厳しく批判。
その上で、鳩山首相が東アジア共同体構想を提唱していることについても「外交安保戦略無しに東アジアに突っ込んで行こうとしている。危険な欠陥車と言わざるを得ない」と述べ、強い懸念を示した。
また、北朝鮮の拉致問題をめぐっては「これまでの北朝鮮の取ってきた態度を見れば、北朝鮮に対しては圧力をかけていく以外に拉致問題の解決ない。核問題も同様だ」と述べ、さらに「米国のオバマ政権は明確な北朝鮮政策を持っていないのが現状だと思う。日本政府はオバマ政権と十分協議しなければならない」と語った。
この講演は京都産業大学法学部の「総合安全保障論」講座で、安倍元総理、飯塚氏の講演のあと参加学生の質問に答える形のパネルディスカッションも行なわれた。